ニジマスしか産まないヤマメ
ニジマスしか産まないヤマメを作り出すことに、吉崎悟朗・東京海洋大准教授(魚類発生学)らの研究チームが世界で初めて成功した。高級魚のクロマグロの稚魚を同じサバ科の魚に産ませるなど、魚類の生産や絶滅危惧(きぐ)種の保全に道を開く技術で、14日付の米科学誌サイエンスに発表した。
研究チームは06年、精子のもとになるニジマスの精巣の細胞(精原細胞)を同じサケ科のヤマメに移植すると、ヤマメのオスではニジマスの精子が、メスではニジマスの卵子ができることを突き止めた。
しかし、ニジマスの精子や卵子の割合は1割以下にとどまり、残りはヤマメの精子・卵子が占め、実用性は低かった。
そこで、ヤマメの精子や卵子を生じさせない手段として、不妊症のヤマメを「親」にすることにした。すると、ニジマスの精原細胞を移植されたオスのヤマメはニジマスの精子だけを、メスのヤマメはニジマスの卵子だけを作るようになった。
得られた精子と卵子の人工授精で誕生した稚魚はすべてニジマスだと遺伝子解析で確認でき、生殖能力も正常だった。
研究チームはニジマスの精原細胞の凍結保存にも成功した。他の魚類でも保存可能とみられる。
吉崎准教授は「漁業資源として重要なマグロを生産するために、仲間のサバを使って試したい。魚類以外の動物で応用できるかどうかは分からない」と話す。
>研究が進んでいろんなことが出来て便利ではあるけれど、本当にそれが良いことなのかは疑問です。
それよりなにより、人間だけでなく魚にも不妊症があるってことが驚きです!!