« 動物の卵子にヒトDNA 英でOKに | メイン  | 線路やポイントに置き石150個 »

未発覚の犯罪情報にも情報料


警察庁は来月1日から、人身売買や児童虐待、買春など被害者が通報しにくく、水面下でなされる犯罪についての情報提供を民間団体で匿名でも受け付け、事件解決に結び付いた場合に10万円を上限に情報料を支払う制度を試行的に開始する。通報受け付け業務は防犯活動のNPO法人「日本ガーディアン・エンジェルス」に委託された。被害当事者でない関係者の110番通報への抵抗感を考慮し、情報料を設定し、民間機関を窓口に匿名でも可能にすることで、未発覚の犯罪あぶり出しを促したい考えだ。
 警察庁は、殺人など未解決の重要事件の解決に結び付く情報に、公費から懸賞金(最高300万円)を支払う制度を5月から始めているが、未発覚の犯罪情報に情報料を支払う制度は初めて。
 児童買春、虐待など子供が被害者となる犯罪や人身売買では、現場周辺の住人や関係者が「何かおかしい」などと発覚の端緒になる情報を持つ場合が少なくない。だが、110番通報では通報者自身が身元を問われ、心理的な負担でこうした関係者が情報提供をためらうケースが目立つといわれる。新制度は「情報料」「民間」「匿名可」で通報者の心理的負担を取り除こうというものだ。
 構想によると、通報を受けたガーディアン・エンジェルスは情報を警察庁に伝達。同庁で情報の真偽などを分析、都道府県警に通知、捜査する。
 通報者が匿名の場合、ガーディアン・エンジェルスはあらかじめ通報者との間でIDやパスワードを定めて通報者を識別。情報料を支払う際も匿名者には事務所に出向いてもらい、受領証明などにも固有名を記載しない。情報料は、(1)被害者の身柄保護(2)犯人の検挙-など段階的に支払う案が検討されている。
 犯罪情報を電話で正確につかむには独特の“カン”が必要なため、警察庁ではガーディアン・エンジェルスの関係職員に実務訓練などを継続的に実施する方針。英国や米国、オーストラリアではボランティア団体が未発覚犯罪情報を匿名で受け付け捜査に生かす「クライムストッパーズ」と呼ばれる制度があり、警察庁はこれを参考にした。
 試行開始にあたり警察庁は、この制度で収集したい犯罪の種類に、被害者が弱い立場で表面化しにくい児童買春や人身売買、児童虐待などを想定。1年半試行し、効果が確認されれば、他の罪種に広げることも検討したい考えだ。
 警察庁によると、今年上半期(1~6月)に全国の警察本部が摘発した児童買春事件の被害者は651人。児童虐待事件は昨年同期比で24・2%増の149件に上る。

>病気も犯罪も早期発見が必要不可欠ですし、この制度は犯罪の抑制につながるのでは!